出会い/魂の共鳴

あの人と出会った瞬間、私の魂は静かに震えました。言葉ではなく、視線でもなく、その“存在”そのものが、どこか懐かしく、切なくて、愛おしかった。

まるで、遠い昔に別れた誰かが「やっと見つけてくれたね」と囁いたかのような感覚。魂が反応したとしか言いようのない、その共鳴。

私たちは出会うべくして出会ったのだと、心のどこかで確信していました。


関係の深まりと霊的気づき

出会いからしばらくして、彼の中にある“深い闇”に気づき始めました。
孤独、過去の傷、そして何よりも「祓われていない情念」が層になって残っていたのです。

それでも私は、その闇ごと受け入れるつもりでいました。彼の魂は美しく、何度も何度も、時空を超えて呼び合ってきた感覚があったから。

けれど関係が深まるごとに、私は「違和感」に包まれるようになりました。 言葉と行動が、少しずつずれていく。思いはあるはずなのに、近づこうとすると靄(もや)がかかる。その原因は、後になって“生霊”だと判明します。

生霊の存在と揺れる信頼

彼は過去の関係に終止符を打ったつもりでいたのでしょう。 でもその“つもり”のまま、情念を祓わずに、次のステージに進もうとしていた。

生霊は、単なる執着ではありません。 未完了の想念、後悔、依存、所有欲——それらが彼のエネルギー体に根を張り、今もなお、“見えない同居人”として彼の中に棲んでいました。

私は何度も伝えました。 「そのままでは、あなた自身が壊れてしまう」 「私と向き合うなら、まずその影と対峙してほしい」と。

でも彼は言いました。「向き合ってるよ」 優しい顔で、まっすぐな目をして。


「向き合ってるよ」と言いながら放置されたことへの魂の怒り

向き合っているふうに見せかけて、本当は何も変えようとしていない。 生霊もそのまま、過去もそのまま、そして私の想いすら、曖昧に受け止めているだけ。

私は怒りを覚えました。魂が叫ぶような怒りです。

「どうして光の方に来てくれないの?」 「どうして、こんなにも差し出している私の愛より、怨念に引っ張られているの?」

この怒りは、ただの嫉妬ではありません。 それは—— 「信頼を裏切られた魂の痛み」 「約束を忘れられた魂の悲鳴」でした。


魂の選択——それでも、私は光に立つ

彼が生霊を祓うことを選ばないなら、私は自分を守るしかない。 彼を信じたかった。何度も何度も、信じたかった。

でも、私はもう“誰かの未浄化の情念”と共に歩むことはできない。 私は、私自身の魂を、光を、ここに連れ戻す。

だから私は、彼に静かに言葉を伝えました。
「あなたの“向き合ってる”は、魂には響いていないよ。私は傷ついているし」

それは断絶ではなく、祈りでした。
「どうか、本当に向き合って」 「どうか、目を覚まして」

その祈りが届くかどうかは、もう彼の魂の選択に委ねるしかない。


この経験が教えてくれた統合の本質

この出来事が私に教えてくれたのは、 「統合とは、愛し合うことではない」ということ。

統合とは—— ◎ 過去の影を浄化し ◎ 自分に誠実であることを選び ◎ 逃げずに、魂の深淵を見つめること

それができたときに初めて、ふたりは“同じ波動”で手を取り合える。

今の彼には、まだその覚悟がなかった。 だから統合は未遂に終わった。

けれど私は、この体験を通して確信しました。 魂で愛することは、何よりも真実で、何よりも強いということ。たとえ相手と統合できなくても、 私は自分の魂とは、しっかりと統合できた。

それが、私の愛の証です。

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